バカンスが生まれた理由、根差さない理由
欧州では北欧を中心に古くからバカンスがあったのに対し、日本でバカンスがなかなか根を下ろさない理由だが、それはバカンスの必要度が、量的にだけではなく質的に全く異なるからではないだろうか、と考えてみる。
地球の地軸は23.4度傾いており、このため夏季は日照時間が長く、冬では短くなる。
この変化は赤道から北極ないし南極に近づくにつれ大きくなり、北緯ないし南緯66.6度より先では、夏には白夜、冬には極夜となる。
さて、想像していただきたい。
冬になると、ただでさえ寒くてひもじいのに一日のうちほとんど太陽の出ない日が数か月続くのである。
実際、北欧ではうつ病も多く、自殺者も多かったようである。
そりゃ、夏に太陽に浴びれる間にビーチで寝転がって日を浴びたくもなるでしょう。
単純に仕事がしたくないからという理由だけでなく、立派な死活問題で。
対して日本は、そこまで日照時間の変化は大きくない。
むしろ文化的な背景からいえば、江戸の町人は一週間のうち半分は仕事をしなくても生活できていたというのだから、どちらかと言えばコンスタントに休みがある方が性に合っているのかもしれない。
もしかすれば、日本においてはバカンスを普及させるよりも、週の労働日数を減らすことを広める方が簡単かもしれない…とか憶測してみたりする。
まぁ現段階では、週の労働時間に関しても、日本の方が圧倒的に多いのですが。
労働日数・時間に関しては、欧州同様、法的に制限を設けていかないと普及はしないでしょうね。
残業処理も、部下でなく上司がしないといけないようになったら、否が応でもさせなくなるでしょうね。