ヒデとアキラが語る “Dreams are necessary to life”

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地理的要因による男女の"社会進出"の違い

日本と欧米諸国(というと乱暴な括り方だが…)の文化の違いは、地理的要因に根差しているものが大きいのではないかと、憶測もとい考察してみた。

 

日本とヨーロッパ、どちらも温帯に属し、明確な四季があり気象や気温の変化が激しい。

しかしながら、両者の地理的特徴には2つの大きな違いがある。

ずばり、湿度と災害だ。

 

まず、ヨーロッパでは主に煉瓦建築が、日本では主に木造建築が発達したのは、災害の激しさ、特に地震の有無の違いによるものではないかと考えられる。

ヨーロッパでは、イタリアなどにある火山地帯をのぞいてほとんど地震が起こることはないが、日本ではどこの地方にせよ、大きかれ小さかれ1年に1回は体感できるレベルの地震を経験する。

地震発生時の人的被害の大きさ、災害後の再建の容易さから考えれば木造が理にかなっているだろう。

また、五重塔の例から考えられるように、木造の方が耐震性が高い、もしくはそういう作りにしやすいのかもしれない。

 

そして、ここに湿度の問題が重なってくる。

 

欧米どこでもいいので1-2週間過ごしてみると分かるのだが、まず食べ物の腐るスピードが段違いに遅いことに気がつく。

パンを数日ほったらかしにしていても、湿気ることもカビが生えることもほとんどないので、紙に包んで引き出しに入れるのが普通だ。

野菜や加工肉もそして残った料理も、あくまで乾燥しないようにラップをするが、冷蔵庫に入れておけば、すぐには腐らない。

保存食にもバラエティがあり、一般的に有効に保存でき、対して調理しなくても食べることができる。

 

対して日本では、ご存じの様に、パッケージを開封した食物を放っておこうものならば、たちどころにカビが生え、異臭を放つようになり、ハエがたかるようになる。

高温高湿は、細菌の繁殖を活発にし、食中毒につながりやすいことはよく知られており、日本でも以前から呼びかけられてきた。

食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

日本において伝統的な保存食が全くない訳ではないが、多くの場合、大変多くの塩分を含んでいるか、やはり有効に長期間は保存できないか、である。

幸いにも日本は自然環境に恵まれており、当然必要に応じて食材を採り、採ったらすぐ料理して食べきるという食生活の方が、当然手間はかかるが、有効な食糧運用と考えられる。

 

カビが生えるのは食べ物だけではない、建物や家具にもカビは生える。

そしてそれだけ凶悪な湿度であれば、人間も生活しづらい。

ということもあり、日本で密封性のある住居よりも通気性の高い住居が採用されるようになったのは妥当な線であろう。

 

通気性があるとなれば、今度は虫害・獣害が問題となる。

蚊や蜂が部屋を飛び回り、獣が食物を荒らし、鳥や昆虫が家屋をすり減らす。

これに対し、日本では伝統的に囲炉裏で火を焚き続け、家全体を燻すことで対処してきた。

ともなれば、家で火の番をする役が必要となる。

 

以上から考え、生活様式のバックグラウンドを加味していくと、欧米と比べ日本では、食糧運用や住宅管理に労力がかかることが推測され、これに専任する者を置くことが有効であると考えられる。

技術の進歩により軽減されたとはいえ、今でも欧米と日本でのこれらの労力の差は優位であると、私は感じる。

 

つまり、長くなったが私が言いたいのは、日本において女性の社会進出が遅れている要因のひとつには、こうしたやむを得ない地理的要因が根底にあるのではないかと考えられる、ということである。

 

こういった観点から考えると性別役割分業にも理があり、一概に男女不平等であるとは言い難いのではないかと思われる。

少なくとも、伝統的な日本の生活様式においては、専業主婦(専業主夫も可能か?)という役割は、家の外で稼いでくるのと同じくらい重要であったに違いない。

 

…という壮大な論説を展開してみた。